先月17日に開催された佐渡トキマラソン大会で、はじめてフルマラソンに挑戦しました。天候の為、欠航が心配されていた早朝のカーフェリーに、リュックを背負ったランナー達が続々と乗り込み、時刻通りに出港し、仲間同士で楽しそうに話している人、これからの挑戦に備え体を休める人など、たくさんの人々で船内は混み合っていました。到着した両津港の佐渡汽船ターミナル近くの大会本部で受付をし、荷物をテントに預け、雨の中でのスタートとなった大会は、2500人の参加者と多くのボランティアスタッフで運営されている盛大な大会でした。自然豊かな美しい変化に富んだコース、緩やかな登りを10キロ、15キロと進んで行く内に、晴れ間も覗き、綺麗な景色に感動しながらも、だんだん苦しくなってきた20キロ手前、天気予報通りの爆弾低気圧による強風で、まったく前に進めない状況になりました。なんとか折返し地点を通過した後、更に天候が荒れ、雷と突風さらに霰も降り、23キロ地点で大会が中止となり、後続の救助バスで引き返す事になりました。大会本部に戻ると、強風でテントが飛び、預かり荷物が雨で濡れないよう急いでスタッフが移動をしたり、スケジュール変更の対応に追われる中、スタッフへ苦情を言う選手も現れ、殺伐とした雰囲気になっていました。追い打ちを掛けて、帰りのフェリーも全てが欠航になり、宿泊の手配までこなしていたボランティアスタッフには本当に頭が下がりました。
もともと交通アクセス面でのハンデを持つ佐渡島では、災害や非常時でなくとも、気象状況の変化という日常で、誰に文句を言っても、当たっても始まらない事で、仕事や暮らしがどうにもならなくなる時があるんだなあと感じ、美しい自然の反対にある厳しさ、そこで暮らす諦めの中での逞しさ、こらえながら淡々と頑張る凄みを感じました。ターミナル待合室のベンチで緊急宿泊をした夜中に、「よしっ、また挑戦しよう!」と心に誓いながら一人そう思いました。