安倍首相が、昭恵夫人から勧められて行っている、渋谷の美容室でのヘアカットは違法だと話題に成っています。厚労省の通知では「美容師は、女性のカットは無条件にしていいが、男性については、ただカットだけをするのはいけない」と成っているそうです。だから、首相が、同時にパーマやカラーをしていたら、問題にはなっていなかったそうなのです。現場からすると、男性のシャンプーカットだけのお客様は当たり前で、今回の事は現実離れていると感じます。しかし、法的には問題があり、何かと規制緩和の方向に動いているご時世ですから、法解釈の見直しだけでなく、理美容の垣根の問題や国家試験の在り方などについて議論されたり、見直しを迫られる可能性もあり、何かしらの波紋が起きそうな雰囲気があります。同じ環境衛生のクリーニング業にも国家試験があるそうで、その実技試験には、繊維の鑑別というものがあり、絹、レーヨン、ポリエステル等の繊維の外観、手ざわり、ライターでの燃焼により繊維を鑑別し、その繊維を回答欄に記入せよという問題があるそうです。知識としては持つべきでしょうが、実際の仕事で繊維を燃焼する筈はありませんから、試験として不適当ではないかと一部で言われているそうです。
いずれにも、現実離れした問題はあります。改善しなければいけない問題が多々あります。それを修正する時には、業界や利権者にとっては、無くしたくない規則もあります。しかし、今後の美容界の人手不足への対応、労働条件の改善の為には、今回の機会に、業界の特権を犠牲にしてでも現実に対応する好機と思います。自社にとって有利不利よりも、これからの若者が目指す業界を作っていく事こそが我々の責任と思います。