7月9日の新潟日報の日報抄に、東電福島第1原発処理水の海洋放出の対応について言及した文章が載っていました。「安全」と「安心」は似て非なる言葉。科学的な証明で正しいから安全、だから安心とはならない。事の良し悪しの問題ではなく、正しいと判断され安全だと言われても、言い方や伝え方、伝える人や会社の姿勢によっては、聞く人、受け取る方の気持ちは変わってしまい、安心には繋がらないことを伝えたものでした。
以前先輩経営者から教えられた「何を言うか」よりも「どう言うか」を大切にしないと伝わらない。誤解を受ける場合もある。世間とはそういうものだということを思い出しました。
理美容業だけでなく、厚生労働省が管轄する生活衛生業には標準営業約款の「Sマーク」があり、消費者が利用する際の安全・安心の目印となっています。コロナ禍の美容室では、このマークの安全性だけに頼らず、個々の具体的な取り組みの掲示、説明をされていました。安全だけでなく、自店の考えや姿勢を伝え、理解して頂き、安心して来店頂く努力を多くの店舗がされていました。
正しさを声高に発する以上に、伝わる努力や工夫、コロナ禍以後も大切なことは変わらないのでしょう。