「美容にいがた」上で、日常感じた事柄を美容室経営の一助になれればと書き綴っているこのコラムは、11年前に7.13水害で被災した際、弊社に頂いた多くの方のご厚意に対し、紙面で御礼を掲載させて頂いた事がきっかけでした。この度の鬼怒川の堤防決壊を始めとする、東日本豪雨災害の報でそれらを思い出しました。地元紙三条新聞によりますと、被害規模の差はあるものの過去大きな水害を体験した首長が集まり、治水対策や災害の教訓等を話し合う、水害サミットが毎年開かれているのだそうです。その内容の一部で「人は逃げない。人間の心には、自分に迫り来る危険を過小に評価して平穏を保とうとする強い働きがあります。その事を知って、人にどう動いて貰うのかが重要。仕組みと同時に、言い方や伝え方が大切なのです。」とありました。「まさか自分に、そんな事が起こりうるとは思わなかった。」が、我社も含めた被災者の生の言葉です。人とはそういうものです。まだ大丈夫、自分だけは大丈夫と思いたいものなのです。最悪を想定し、準備していたとしても、いざとなると行動が伴わないのが人間です。だから事前の準備の為に、情報を共有し、さらに訓練もしていかなければいけないのだそうです。
ある会社で、失敗報告書というものがあります。仕事上の失敗を提出する報告書です。人は失敗を隠したいものですが、誰かの失敗が、他の人の失敗を未然に防ぐ事になり、今後の対策を考え、改善する教材となると考えて奨励しているのだそうです。「人は逃げない。人は失敗する。」は、大きな教訓です。確かに失敗に責任はあると思いますが、次の間違いや失敗を起こさない様に、どう情報を共有するか、人の真理を汲んで、仕組みを作る事が本当に教訓として活かされるのだと気付かされました。
この度の災害で被災され方々へ謹んでお見舞い申し上げますと共に、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。